連載連載12320まあるくて、もっちもちのホックホク。そんなさといもが愛知県にあります。「八■名■丸■■さといも」です。「やな」は地名、「まる」は芋の形からこう呼ばれるようになりました。昭和20年頃に命名されたそうです。最初に生産されていたのが八名郡八名村、現在の一■■鍬■■田■と呼ばれる地域です。他のさといもに比べて肉質がやわらかくて粘り気も強く、丸い形が特徴とか。あいちの伝統野菜にも選ばれています。 新■■城■■市は奥三河と呼ばれる県東部の山間部、森が広がる県内で2番目に広い地域です。八名丸さといもの収穫は秋から春先まで続きますが、種を守って生産を続け著者 服部 一景さん1人分204kcal 塩分2.3g 調理時間25分※レシピは食べやすいように調整しています本に関するお問い合わせは〈開港舎〉へ。材料 (4人分)するめいか(下処理済みのもの)愛知県に本部があるCGCグループのお店です…1杯分さといも…400g しょうゆ…大さじ2 酒、みりん、砂糖…各大さじ1A だし汁…2カップ八名丸さといもの収穫作り方いかは胴は幅1㎝の輪切りにし、えんぺらも幅1㎝に切る。足は2〜3本ずつに切り分ける。さといもは皮をむき、食べやすい大きさに切る。鍋に入れてたっぷりの水を注ぎ、中火にかけ、沸騰したら5分ほど下ゆでする。ざるに上げて水気をきる。鍋にA、1、2を入れて中火にかけ、さといもがやわらかくなるまで10分ほど煮る。ている村田さんを訪ねたのは2月初めでした。枯れ草や林陰には霜が降りていましたが、小型のトラクターが畑を掘り起こしていくうしろの黒い土からさといもの塊がコロコロと現れます。大きな親芋のまわりに小芋や孫芋がひと塊になっています。こうして増えることからさといもは子孫繁栄を象徴する縁起の良い食材としてお月見や正月などに利用されます。 丸い子芋や孫芋が食べ頃。「きぬかつぎ」やおでんもおすすめですが、いかとの煮物が地元では人気の食べ方です。丸い形を中秋の名月の団子に見立て、お月見の夜、新城では収穫した八名丸さといもをすすきとともに飾るそうです。 〈服部さん■ ふるさとの風土と季節に育まれた料理や食材を紹介する『おかずの本』は、自称“おかずの旅人”こと、服■■部■■一■■景■■さんが全都道府県での発行を目指し刊行しています。日本の“ふるさとの味”を次世代に伝え続けていくことはCGCグループの願いです。今月は『あいちのおかず』からご紹介します。今月ご紹介するのは愛知県のおかず「さといもといかの煮もの」です
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