ふれ愛交差点 2024年9月号
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連載連載1234520中学校の食育授業で「おきりこみ」を調理(取材当時)話をしながら一緒に料理をしました。畑で採れた旬の野菜をたっぷり入れて、打ちたてのうどんを下ゆでせずに包丁で「切っては入れ、切っては入れ」して煮込みます。「お切■り込■み」の名の由来です。麺が薄いのは火が通りやすくなるように、幅が広いのはだしの旨みを吸いやすくするため。工夫と知恵が詰まっています。短時間に大鍋いっぱいに作れるうえ、とろみが身体を芯から温めてくれるおきりこみは、家庭の自慢料理として伝えられてきました。麦の国ぐんまには粉物文化がしっかりと根付いています。桐生ひもかわ・館林うどん・水沢うどん・高崎パスタ・藤岡ラーメン・伊勢崎もんじゃ・太田焼き 〈服部さん■ そば…おらが地域のB級グルメです。著者 服部 一景さん1人分539kcal 塩分4.0g 調理時間50分⊕※レシピは食べやすいように調整しています本に関するお問い合わせは〈開港舎〉へ。材料 (4人分)中力粉…500g水…230〜250㎖打ち粉(中力粉)…適量大根…150gにんじん…60gごぼう…¹⁄2本(70g)長ねぎ…²⁄3本さといも…3個(180g)油揚げ…1枚生しいたけ…2個だし汁…7カップ しょうゆ…大さじ3A みりん…大さじ¹⁄2みそ…大さじ3作り方ボウルに中力粉を入れ、材料の水80㎖ほどを加えて全体を混ぜる。残りの水を少しずつ加えながらひとまとめにする。台の上に打ち粉をふり、生地をこねては広げ、折りたたむを数回繰り返す。生地がなめらかになってきたらラップで包み、30分ほど寝かせる(時間外)。再び台に打ち粉をふり、1の生地を麺棒で厚さ3㎜にのばす。生地の上に打ち粉をふり、屏風だたみにして幅5㎜に切る。大根、にんじんは拍子木切りに、ごぼう、長ねぎは斜め切りに、さといもは乱切りに、油揚げは短冊切りに、しいたけは薄切りにする。鍋にだし汁を入れて中火にかけ、長ねぎと油揚げ以外の3を加えて6〜7分煮て、Aを加える。2を加えてやわらかくなるまで10分ほど煮て、長ねぎと油揚げを加えて、みそで味をととのえる。器に盛り、お好みで山椒の葉を添える。「かかあ天■■下■と空■■っ風■■」は言わずと知れた上州名物。赤城山麓から続く平野は古くから二毛作地帯でした。江戸時代に石臼が普及すると製粉技術が広まり、うどんや水■■団■■、焼き餅などの粉物を食べるようになりました。明治・大正期には絹産業が盛んになり、桑を育て養蚕・製糸・織物で活躍する妻を「おれのかかあは天下一」と言ったのが名物の始まりとか。文化庁の日本遺産に「かかあ天下 ―ぐんまの絹物語―」が選ばれました。 中学校の食育授業を取材したのは2012年のこと。講師は地元のおばあちゃんやおかあさん。おきりこみの群馬県に本部があるCGCグループのお店ですふるさとの風土と季節に育まれた料理や食材を紹介する『おかずの本』は、自称“おかずの旅人”こと、服■■部■■一■■景■■さんが全都道府県での発行を目指し刊行しています。日本の“ふるさとの味”を次世代に伝え続けていくことはCGCグループの願いです。今月は『ぐんまのおかず』からご紹介します。今月ご紹介するのは群馬県のおかず「おきりこみ」です

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