ふれ愛交差点 2024年2月号
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連載連載123426著者 服部 一景さん1人分135kcal 塩分2.0g調理時間30分※レシピは食べやすいように調整しています食事の調■■■え方や作法が説かれています。「たかが台所料理というふうに料理を見ず、いかに食事をつくり、いかに心をつかうか、工夫するか、の行為は人間のもっとも尊い仕事」と水上勉は記します。 汁の具が煮上がって最後に入れるのは豆腐。包丁で切らずに揉みつぶして入れるのも「典座」の知恵だったのでしょう。野菜は皮まで残さずに薄く、細かくして使いきるけんちん汁の料理法は一切の生命を無駄にしないという教えかもしれません。 神奈川の取材から15年、写真はフィルムカメラからスマホの時代に変わりましたが、山門前は今も昔も修学旅行の生徒たちの撮影スポットでした。本に関するお問い合わせは〈開港舎〉へ。材料 (4人分)ごぼう…¹⁄2本こんにゃく…100g大根…150gにんじん…50gさといも…2個長ねぎ…¹⁄3本油揚げ…1枚豆腐…¹⁄2丁(150g)だし汁…4カップしょうゆ…大さじ2¹⁄2みりん…小さじ2塩…少々サラダ油…大さじ1神奈川県に本部があるCGCグループのお店です作り方ごぼうはささがきにして水につける。こんにゃくは1.5㎝四方程度の大きさに切る。大根、にんじんはいちょう切りにする。さといもは乱切りに、長ねぎは斜め切りにする。油揚げは短冊切りにする。豆腐はさいの目に切る。鍋に油を中火で熱し、水気をきったごぼう、こんにゃく、大根、にんじん、さといもを炒める。2の鍋にだし汁を加えて、煮立ったら火を弱め、具材がやわらかくなるまで12〜15分煮込む。しょうゆ、みりんを加え、油揚げと豆腐を加えて3〜5分煮る。最後に長ねぎを加え、塩で味をととのえる。器に盛り、斜めに切った長ねぎ(青い部分)を添える。北鎌倉駅から鶴岡八幡宮に向かう鎌倉街道沿いに、鎌倉五山の第一位、建長寺があります。山■■門■■の扁■■額■■には「建長興国禅寺」とあり、開山は大■■覚■■禅■■師■、建長5(1253)建長興国禅寺年のことです。鎌倉幕府5代執権の北条時頼が宋の高僧を迎え創建した日本初の禅宗専門道場でした。修行する禅僧がいただいた「建長汁」が「けんちん汁」の由来だとか。鎌倉時代末頃の修行僧は千人に手が届くほど多かったようで、けんちん汁の量も相当なものだったに違いありません。汁の具は乱切りした季節の野菜。へたや皮まで細かく切って全員に行き渡るように工夫したそうです。 料理を担当する僧は「典■■座■」。道元の『典座教訓』には 〈服部さん■ 〈服部さん〉ふるさとの風土と季節に育まれた料理や食材を紹介する『おかずの本』は、自称“おかずの旅人”こと、服■■部■■一■■景■■さんが全都道府県での発行を目指し刊行しています。日本の“ふるさとの味”を次世代に伝え続けていくことはCGCグループの願いです。今月は2009年に刊行した『かながわのおかず』からご紹介します。今月ご紹介するのは神奈川県のおかず「古都けんちん汁」です

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