123457種■■子■島■■から戻った翌日の撮影地は伊集院。鹿児島市の西側、東シナ海に面した日置市の中心街。鹿児島市街から車で30分収穫の宴ほどのベッドタウンです。撮影する料理は「しゅんかん…!?」、耳慣れない料理名でした。釜炒りの日置茶をすすりながら、まずは料理のレクチャー。「しゅんかん」は島津の殿様料理。旬の筍■■■■と猪■■肉■■(今は豚三枚肉)と根菜類を使った■摩の煮しめです。古くから祝いの膳やおもてなし料理として食べられてきました。発端は普■茶■■料理の一つ「笋■■■羹■■」。京都に伝わり、精進料理として作られました。「笋」はたけのこ、「羹」はあつもの、肉Bさやえんどう…12枚連載連載著者 服部 一景さん1人分270kcal 塩分1.4g調理時間70分⊕ん、ごぼうを入れて中火にかける。煮立ってきたらBを加え、20分ほど煮る。しいたけ、たけのこ、油揚げを加え、10分煮たら、4を汁ごと加えてさらに5〜6分煮る。器に盛り、サッとゆでたさやえんどうを飾る。※レシピは食べやすいように調整しています本に関するお問い合わせは〈開港舎〉へ。うすくちしょうゆ、砂糖、酒…各大さじ1うすくちしょうゆ…大さじ1¹⁄2酒…大さじ3作り方塩豚を作る。豚肉に塩をまんべんなくすり込み、ラップで2重に包み、ジッパー付き袋に入れて1週間冷蔵庫に寝かせる(時間外)。ラップをはずして鍋に入れ、かぶるほどの水(材料外)、長ねぎ、しょうがを加えて中火で30分ほどゆでて豚肉を取り出す。あら熱が取れたら厚さ1.2㎝に切る。干ししいたけは材料の水につけて戻す(できれば冷蔵庫に入れてひと晩おく・時間外)。大根は厚さ1㎝の半月切りに、にんじんは乱切りにする。ごぼうは長さ7㎝の半割りにし、水につけてアクを取る。たけのこはくし形切りにする。油揚げは湯通しして4等分に切る。2のしいたけは軸を切る。2の戻し汁の1カップを小鍋に入れて中火にかけ、Aを加えて煮立たせる。1を加え、6〜7分煮る。別の鍋に2の残りの戻し汁、大根、にんじ材料 (6人分) 塩豚 豚バラ肉(かたまり)…300g 塩…大さじ1 長ねぎ(青い部分)…1本分 しょうが(薄切り)…20g干ししいたけ…6個水(干ししいたけの戻し用)…1ℓ大根…400gにんじん…²⁄3本(100g)ごぼう…²⁄3本(100g)たけのこ(水煮)…¹⁄2個(100g)油揚げ…2枚A鹿児島県に本部があるCGCグループのお店ですや野菜を煮た熱い汁もののこと。その料理が竹林面積日本一の■摩に伝わって春の祝い料理として庶民に広がったそうです。 撮影が終わり、いちき串木野市に向かう途中、田んぼの収穫作業をしている人たちに出会いました。はざ掛けが終わると田んぼ脇の木陰で昼食の宴。定番メニューはおにぎりと炊き込みごはん、大根とキャベツときゅうりの漬物と煮しめの「しゅんかん」。里芋・にんじん・ごぼう・筍・しいたけ・こんにゃく…煮汁がそれぞれにしっかりしみ込んでいるので冷めてもおいしい。野外で「しゅんかん」をいただきながら実感しました。通りすがりの旅人にとって最高のごちそう、優しさあふれるおもてなしでした。 〈服部さん■ 今月ご紹介するのはふるさとの風土と季節に育まれた料理や食材を紹介する『おかずの本』は、自称“おかずの旅人”こと、服■■部■■一■■景■■さんが全都道府県での発行を目指し刊行しています。日本の“ふるさとの味”を次世代に伝え続けていくことはCGCグループの願いです。今月は2011年に刊行した『かごしまのおかず』からご紹介します。鹿児島県のおかず「しゅんかん」です
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