ふれ愛交差点 2023年9月号
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連載連載1220 福島の浜通り北端にある相馬松川浦漁港。午前2時、底引き網漁船がディーゼルエンジンの音を轟■■■かせて離岸します。最後に停めた船から順々に明かりを灯して一列縦隊で出航です。漆黒の太平洋に点々と並ぶ漁■■■火■が水平線を想像させます。 漁場は50〜60㎞先の沖合い、親潮と黒潮がぶつかる潮目の海。「男は海で働く、水揚げ競りは浜の母ちゃんが取り仕切る」のが、原釜地方市場の習わしです。船が漁から帰る午後、白や赤や紫の胴長姿の浜の母ちゃんが集まって世間話をしながら水揚げの準備。準備が終わると埠頭の先端で入船待ち。白い船首の番号が目印です。水揚げされた魚をフォークリフトで運ぶのは相馬松川浦漁港で作業をする浜の母ちゃんMEMO地元の漁師さん曰く、「サメガレイはカレイ類の中でもトップクラスのおいしさ」。普通のカレイでもおいしく作れます。著者 服部 一景さん1人分145kcal 塩分2.4g 調理時間20分⊕本に関するお問い合わせは〈開港舎〉へ。材料 (2人分)サメガレイ(切身)…2切れ 水…250㎖ みそ…大さじ1¹⁄2A しょうゆ…大さじ1 砂糖、酒…各大さじ2作り方サメガレイは塩(材料外)を軽くふって15分ほどおき(時間外)、水気をペーパータオルでふく。鍋にAを入れて中火にかけ、ひと煮立ちしたら1を加えて落としぶたをする。弱めの中火にして10分ほど煮る。福島県に本部のあるCGCグループのお店です浜の母ちゃん。市場では魚種別、大きさ別に手早く分けて競りに立ち会います。 旬の魚をくぁせっと(食べさせるという相馬の方言)という意味で命名した港の食堂「くぁせっと」。その台所で腕をふるうのも浜の母ちゃんです。今日のメニューは獲れたての「サメガレイのみそ煮」。いつもはしょうゆで煮付けますが、カレイの種類によってはみそ煮にします。「脂が多く身質がやわらかいものは麹みそがよく合う」とは底引き網漁船の若手船主もっくん。船上の賄いを長く担当していた漁師めしの料理長でもあります。旬の魚のおいしい食べ方は浜の駅松川浦のホームページでも紹介しています。    〈服部さん〉ふるさとの風土と季節に育まれた料理や食材を紹介する『おかずの本』は、自称“おかずの旅人”こと、服■■部■■一■■景■■さんが全都道府県での発行を目指し刊行しています。日本の“ふるさとの味”を次世代に伝え続けていくことはCGCグループの願いです。今月は、2022年に刊行した『ふくしまのおかず(秋冬編)』からご紹介します。今月ご紹介するのは福島県のおかず「サメガレイのみそ煮」です

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