ふれ愛交差点 2023年8月号
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連載連載123420 能登の夏は祭り、その主役は切子燈■■籠■■「キリコ」です。神■輿■■の先導役として屋根より高い燈籠が青い宵闇を彩ります。江戸時代から続くキリコ祭りは7月から10月まで約200の農漁村で行われます。皮切りは能登町宇■出■津■のあばれ祭り。約40本のキリコが松■■明■■の周囲を練りまわり、神輿の原型がなくなるまで暴れまわる八坂神社の祭礼です。 地域の意匠を凝らしたキリコも見ものですが、もう一つの楽しみは「よばれ」です。祭りの宵に親戚やお世話になっている人たちを自宅に招いて心づくしのお・も・て・な・し。地域でとれた旬の食材を使った「ごっつぉ(ごちそう)」を輪島塗りの御膳で振る舞います。  MEMO一度冷ますと味がよくしみ込みます。キリコ祭りの様子著者服部 一景さん1人分263kcal 塩分2.7g 調理時間20分⊕※レシピは食べやすいように調整しています本に関するお問い合わせは〈開港舎〉へ。材料 (2人分)蒸しだこ…250gさといも…大4個昆布…7㎝水…500㎖ 酒、みりん…各大さじ2 しょうゆ…大さじ1¹⁄2A 砂糖…大さじ1石川県に本部のあるCGCグループのお店です作り方鍋に材料の水と昆布を入れ30分ほどおいておく(時間外)。たこはひと口大に切る。さといもは皮をむいて、3〜4等分の食べやすい大きさに切り、水(材料外)に10分ほど浸す。鍋にたっぷりの水(材料外)とさといもを入れて中火にかけ、沸騰したら3分ほどゆでてざるに上げる。1の鍋を弱火にかけ、沸騰する直前に昆布を取り出す。下ゆでした2のさといもを加え、4分ほど煮る。Aを加えて4〜5分煮て、たこを加えて2分ほど煮る。 取材の折に誘われてうかがったのが馬■緤■■■町■■の旧家。珠■洲■市で最後のキリコ祭りの宵でした。暖■■■簾と提■■■燈■■のかかった玄関は開けっ放しです。祭りの宵は無礼講、誰でも自由に入ってきて「ごっつぉ」がいただけるとか。 祭り御膳いちばんの人気料理が「芋■■蛸■■」。「子供の頃ひらひらした仕掛けでよく獲りました」とご主人。湯がいたタコと相性のいい里芋を昆布だし、醤油、砂糖で煮込んだおふくろの味だそうです。 ねっとりやわらかな里芋を使うのは外■■浦■■、内■■浦■■の方ではホクホクのじゃがいもを使うそうです。海の幸と山の幸が一緒になった能登半島らしい郷土料理です。〈服部さん〉 ふるさとの風土と季節に育まれた料理や食材を紹介する『おかずの本』は、自称“おかずの旅人”こと、服■■部■■一■■景■■さんが全都道府県での発行を目指し刊行(現在14冊を発行)しています。日本の“ふるさとの味”を次世代に伝え続けていくことはCGCグループの願いです。今月は、2020年に刊行した『いしかわのおかず』からご紹介します。今月ご紹介するのは石川県のおかず「芋いも■だこ」です

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