12347連載連載農師の佐藤今朝一さん(右)と弟子の稲福由梨さん(左)著者服部 一景さんα-リノレン酸が多く含まれていることから「畑の魚」と注目されたのは平成になってからのことです。 健康食材を全国に広めようと日本エゴマの会を設立した村上周平会長(故人)が恩師と仰いだ佐藤今朝一さんを訪ねました。阿■武■隈■■高地でじゅうねん栽培を続ける94歳の現役農師(2021年9月の取材当時)です。えごまは青じそと同じしそ科の一年草。じゅうねんで作った甘だれにうどんをからめた「じゅうねんうどん」が滝■■根■の郷土食。東京から移住して農師の指導を受ける、弟子の稲福由梨さん手作りのおすすめ料理は「じゅうねんみその黒米おにぎり」。人の体にも環境にもやさしい、ふるさとのおふくろの味です。本に関するお問い合わせは〈開港舎〉へ。材料 (6個分)米…2合黒米…大さじ2 みそ…大さじ3A 砂糖…大さじ2えごま…10gえごまの葉…6枚ごま油…少々 半突きのうるち米にじゅうねんみそを塗って香ばしく焼いた「しんごろう餅」は会津盆地の郷土食。そば粉ともち粉で作った生地に砂糖と塩で調味したじゅうねんだれをからめた桧■■枝■岐■■村■■の「はっとう」。只■■見■町■■のふるさとチョイスには伝統の調味料「じゅうねん油」。福島で「じゅうねん」と言えば「えごま」です。食べると寿命が10年延びる……が名の由来。古くは「荏■」、縄文遺跡からも種が出土した栽培植物です。 奈良・平安時代には夜を灯す油として利用されましたが、江戸時代に幕府が奨励した菜種油にその座を奪われました。韓国では葉をキムチにしたり、焼肉を巻いたりして食べますが、日本では搾油が主流でした。青魚に含まれるDHA・EPAや、多価不飽和脂肪酸の一種福島県に本部のあるCGCグループのお店です作り方米を洗い、黒米を混ぜて1時間ほど浸水させてから炊く(時間外)。フライパンにえごまを入れ、弱火で香りが出るまで煎る。すり鉢に移し、すりつぶしてAを加えて混ぜる。1を6等分にしておにぎりを作る。えごまの葉の裏に2を塗り、おにぎりに貼る。フライパンにごま油を薄くひき、3のおにぎりの表面を軽く焼く。1個分238kcal 塩分1.1g 調理時間20分※レシピは食べやすいように調整しています〈服部さん〉 ふるさとの風土と季節に育まれた料理や食材を紹介する『おかずの本』は、自称“おかずの旅人”こと、服■■部■■一■■景■■さんが全都道府県での発行を目指し刊行(現在14冊を発行)しています。日本の“ふるさとの味”を次世代に伝え続けていくことはCGCグループの願いです。今月は、2022年に刊行した『ふくしまのおかず(春夏編)』からご紹介します。今月ご紹介するのは福島県のおかず「じゅうねんみその黒米おにぎり」です
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