1236新じゃがと鶏むね肉の磯辺揚げ日本料理において、のりを使った料理を「磯辺」と呼びます。「磯辺揚げ」のほか、「磯辺あえ」「磯辺焼き」「磯辺巻き」などがあります。揚げることで、素材の余分な水分が抜けて、味わいが凝縮します。新じゃがいもは油が冷たい状態から入れて火にかければOK。ほぼ失敗なく揚げることができます。揚げ油がジュワジュワッとしてきてから7〜8分すると、沈んでいた新じゃがが浮き上がってきます。それが揚げ上がりの合図。しっかり油をきってから、塩とたっぷりの青のりをふってください。新じゃがと合わせたのは、こちらもやさしい味わいの鶏むね肉です。米粉を使った青のり衣で天ぷらにしました。天ぷらは苦手意識がある人も多いのですが、衣に米粉を使うと上手にできますよ。米にはグルテンが含まれないので、混ぜすぎても粘りが出ず、カリッとした揚げ上がりになるんです。この衣は白身魚などにも応用できますので、覚えておくと便利です。材料(2人分)新じゃがいも…小6個(180g)鶏むね肉…大¹⁄2枚(150g)塩…適量青のり…大さじ2 溶き卵…¹⁄2個分 米粉…30gA 水…大さじ3 青のり…大さじ1揚げ油…適量作り方じゃがいもは皮付きのまま半分か四つ割りにして水気をふく。鶏肉はひと口大のそぎ切りにし、重さの約1%の塩(約小さじ■)をふる。ボウルにAを混ぜる。鍋に揚げ油とじゃがいもを入れて強火にかけ、ジュワジュワッとしてきたら強めの中火にし、軽く色づいて、浮いてくるまで7〜8分揚げる。油をきり、塩少々、青のりをふる。続いて揚げ油を中温に熱し、鶏肉にAをからめて入れ、2〜3分揚げる。2とともに器に盛る。ことはしない方がいいです。 今回は素揚げをして味を凝縮させ、ほんのりと香る青のりと塩だけでシンプルに仕上げました。青のり衣をからめて揚げたやわらかな鶏むね肉を合わせて、香りよい春らしいひと皿に仕上げました。ぜひ、揚げたてを食べてください。〈林さん〉春野菜が出回る季節ですね。みずみずしい新じゃがいももこの時期ならではの食材です。新じゃがは春らしい淡い色合いと繊細な味わいが特徴ですが、それは裏を返せば強い個性があるわけではないということにもなるので、その繊細な味わいをいかすには、あまり凝った和食の豆知識「磯辺」とは?
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