ふれ愛交差点 2023年3月号
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3456菜の花と塩豚の炊き込みごはん12 菜の花は水につけてシャキッとさせてから調理しましょう。細胞に水分が入り込み、はりが出て歯ざわりよく仕上がります。 下ゆでではなく油炒めをするのは、油で苦みをやわらげて、風味よく仕上げるためです。少量の水を加えて、蒸し焼きのような状態にすると、焦げつかずにふっくら、おいしく炒めることができます。 豚肉は重量の3%ほどの塩をまぶし、“塩豚”にしておきます。余分な水分が抜けるため、うまみが凝縮します。これを米と一緒に炊き込むことで、だし汁を使わなくても豊かな味わいのごはんになります。菜の花の鮮やかさと豚肉の香ばしさが食欲をそそります。 黒こしょうがよく合うので、仕上げにふってどうぞ。材料(2〜3人分)米…2合菜の花…80g豚肩ロース肉(とんかつ用)…80g塩…適量 水…325㎖ 酒…25㎖A 塩、薄口しょうゆ  …各小さじ²⁄3サラダ油…適量粗挽き黒こしょう…少々作り方塩豚を作る。豚肉に塩小さじ■をまぶし、ラップで包んで室温に8時間以上おく(時間外)。米は洗ってざるに上げ、30分ほどおく(時間外)。菜の花は水につけてシャキッとさせ、水気をしっかりときり、長さ2㎝に切る。フライパンに油小さじ1を中火で熱し、豚肉を水気をふいて入れ、片面約3分ずつ、こんがりとするまで焼く。あら熱を取り、1㎝角に切る。土鍋に米とAを入れてひと混ぜし、3をのせてふたをし、強火にかける。煮立ったら弱火にして10分ほど炊き、火を止めて10分ほど蒸らす。*炊飯器で炊くこともできます。フライパンに油小さじ2を強火で熱し、菜の花を炒める。油が回ったら水小さじ2を加えてしんなりとするまで炒め、塩ふたつまみをふる。炊き上がった4に加え、黒こしょうをふる。さっくりと混ぜて食べる。か。それには油脂と合わせるという手があります。油脂のコクが苦みをおだやかにして、食べやすくしてくれるんですね。菜の花をサッと油炒めして、豚肉のおいしい脂と合わせたごはんは、彩りよく、おいしいだけでなく、季節の変わり目の体を元気にするひと品です。〈林さん〉菜の花をはじめとする春野菜や山菜には、ほろ苦さを持つものが多くあります。この苦みには、冬の間に体にたまった老廃物を取り除く力があります。だからこの時期、自然にこうした野菜を食べたくなるんです。日本の古くからの知恵ですね。 この苦みをどうおいしくとり入れる

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