12346連載連載著者 服部 一景さん根を切って積み重ねます。1玉2〜3kgの重労働。見事な白菜が並びます。重さを量り芯の詰まり具合をチェックして出荷します。中心の軸は「とろ」と呼ばれるおいしい部分。勧められるままに芯をひとかじり。シャキッとした歯ごたえ、弾けるようなみずみずしさ、ほんのり残るかすかな甘さ。畑で旬の採りたてをいただくのは究極の贅沢です。真のおいしさを知っている生産者のお母さんが作るおかずを取材する醍醐味の一つです。地域の共同加工場にお母さんが集まって、世間話をしながら漬物を仕込む風景は初冬の風物詩。「洗はれて 白菜の尻 陽に揃ふ」と楠■■本■■憲■■吉■■は詠んでいます。※楠本憲吉…昭和に活躍した俳人・随筆家。実家は料亭「なだ万」1人分57kcal 塩分0.6g 調理時間15分※レシピは食べやすいように調整しています本に関するお問い合わせは〈開港舎〉へ。材料 (4人分)白菜…¹⁄2個豚もも肉(しゃぶしゃぶ用)…400g春雨(乾燥)…60g にんにく(薄切り)…1かけ分 水…4カップ しょうゆ、酒…各大さじ4A 砂糖…大さじ1¹⁄3 トーバンジャン…大さじ¹⁄2ごま油…小さじ2赤唐辛子(輪切り)…適量白菜の収穫の取材でまっさきに目に飛び込んできたのは、丸く立派な白菜の眩しい白さ。今でも鮮明に脳裏に刻まれています。白菜の生産量日本一という茨城県。東京市場への出荷量は9割近いというのは驚きです。大正時代に栽培が始まり昭和41(1966)年に指定産地になりました。その中でも一番の産地、八千代町へ、初冬の早朝、収穫の取材に出かけました。菜切包丁で■城県に本部のあるCGCグループのお店です作り方白菜は1枚ずつはがし、白菜と豚肉を交互に4〜5回重ねる。5〜6㎝に切り分ける。春雨は熱湯をかけて水気をきり、食べやすく切る。鍋に1を断面が上になるように並べ入れ、Aを加えて中火にかける。沸騰したら弱めの中火にし、5分煮る。鍋に2を加えて煮立たせたら、ごま油をかける。器に盛り、赤唐辛子をちらす。ふるさとの風土と季節に育まれた料理や食材を紹介する『おかずの本』は、自称“おかずの旅人”こと、服■■部■■一■■景■■さんが全都道府県での発行を目指し刊行(現在14冊を発行)しています。日本の“ふるさとの味”を次世代に伝え続けていくことはCGCグループの願いです。今月は、2014年に刊行した『いばらきのおかず』からご紹介します。今月ご紹介するのは■城県のおかず「白菜と豚肉の重ね蒸し」です
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