ふれ愛交差点 2022年6月号
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A1236連載連載「東北のハワイ」と呼ばれるほど、いわき市は福島県の中で最も温暖な地域です。沖合は親潮(寒流)と黒潮(暖流)が出合う「潮目の海」。そこで発生するプランクトンを求めて地魚や回遊魚など多様な魚種が集まる漁場です。潮目の海で育ち水揚げされた魚は「常磐もの」と呼ばれ、かつおも黒潮に乗って潮目の海にやってきます。青葉の季節、小名浜港はかつおの水揚げで活気づきます。昨年、小名浜港に初がつおが水揚げされたのは4月23日。近年に比べて1ヵ月ほど早い水揚げでした。かつおは県で水揚げされる魚の中で年間水揚金額が最も高く、消費量は高知県に次ぐ多さです。旬の味わい方は、まずは生の刺身。高知ではスライスしたにんにくをのせますが、福島ではすりおろしにんにくとしょうゆをたっぷりつけるのが定番の食べ方です。家庭のおかずでは、砂糖、しょうゆ、みりんなどで甘辛く味付ける揚げ浸しにします。できたての熱々はもちろん、冷めて味がしみ込んだものも絶品で、子どもたちにも人気の一品です。小中学校の給食の献立にも登場するいわき市の郷土料理です。福島県に本部のあるCGCグループのお店です著者 服部 一景さん1人分283kcal 塩分1.4g 調理時間15分※レシピは作りやすいように調整しています本に関するお問い合わせは〈開港舎〉へ。材料 (4人分)かつお(刺身用さく)…500g片栗粉…40g砂糖、しょうゆ、みりん、 酒…各大さじ4しょうが(すりおろし)…小さじ1水揚げの様子と競りでは浜の母ちゃんが主役水…80㎖揚げ油…適量作り方かつおは皮付きのまま厚さ2㎝のひと口大に切り、片栗粉をまぶす。揚げ油を中温に熱し、3分ほど揚げる。鍋にAを入れて中火にかけ、1分ほど煮立たせてから2を加え、ひと煮立ちさせて火を止める。ふるさとの風土と季節に育まれた料理や食材を紹介する『おかずの本』は、自称“おかずの旅人”こと、服■■部■■一■■景■■さんが全都道府県での発行を目指し刊行(現在13冊を発行)しています。日本の“ふるさとの味”を次世代に伝え続けていくことはCGCグループの願いです。今月は『ふくしまのおかず(春夏編)』からご紹介します。今月ご紹介するのは福島県のおかず「かつおの揚げ浸し」です

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