ふれ愛交差点 2022年5月号
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12346連載連載MEMOしば(サルトリイバラ)の葉山間の農家や土佐湾に点在する漁師町を訪ね歩く途中、料理教室を訪問。その日の料理は「しば餅」と「いたどりの稲荷寿司」でした。「しば」はサルトリイバラの通称で、蔓■■性■■の落葉低木。「いたどり」は「すかんぽ」とも呼ばれる春の山菜です。どちらも野山のどこにでもある草木を使った高知らしい料理です。上新粉を練ってあんを包み、しばの葉でくるんで蒸したしば餅は、素朴な夏のおやつで、端午の節句にはどっさり蒸すそうです。かたくなったら焼いて食べれば、しばの葉が香ばしくなってさらにおいしさが増します。しばの葉が足りない時はみょうがの葉を使うことも。山間部の大■■豊■■町■■■には、みょうがの葉で包む半■■夏■団■■子■があり、農作業を休む半■■夏■生■■■の日に食べる蒸し団子です。「まんじゅしば」「山■■帰■来■■」「かしわ」などの別称があるように、サルトリイバラは古くから食材として使われていたようです。森林率日本一の高知県。山菜を栄養補給や保存食として一年中利用する山の暮らしの知恵です。著者 服部 一景さん1個分244kcal 塩分0.0g 調理時間40分※レシピは食べやすいように調整しています本に関するお問い合わせは〈開港舎〉へ。材料 (12個分)上新粉…200gA砂糖…大さじ1ぬるま湯…200㎖こしあん…200gしばの葉…12枚作り方ボウルにAを入れ、ぬるま湯を少しずつ加えながら耳たぶくらいのかたさにこねる。1を6〜7等分にして、蒸し器に並べ、強火で25分ほど蒸す。2をボウルに入れて熱いうちにすりこぎでこねる。なめらかになったら12等分にして楕円形に広げ、12等分にしたこしあんを包む。3をしばの葉で挟み、蒸し器に並べ、強火で5分蒸す。高知県に本部のあるCGCグループのお店ですしばの葉をむいて食べます。香りを楽しんでください。ふるさとの風土と季節に育まれた料理や食材を紹介する『おかずの本』は、自称“おかずの旅人”こと、服■■部■■一■■景■■さんが全都道府県での発行を目指し刊行(現在13冊を発行)しています。“ふるさとの味”を次世代に伝え続けていくことはCGCグループの願いです。今月は『こうちのおかず』からご紹介します。今月ご紹介するのは高知県のおかず「しば餅」です

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